参加型開発から主導型開発へ1ーPeople’s Processとは

支援者主体の開発は終わりつつある

これまで世界では、いくつもの支援者主導の開発手法が導入されてきました。
つまり資金や技術を提供する側が実施方法を決めながら、
貧困問題にアプローチしてきました。

しかしそれには限界があり、近年受益者主導の開発手法が広がっています。

その先駆者的な役割を果たしているのが、
国連ハビタット(UN-HABITAT)です。

国連ハビタットは貧しいコミュニティの生活改善を目的に、
世界各地でプロジェクトを進めています。

国連ハビタットナイロビ本部

彼らが提唱するPeople’s Processは、
開発の大部分を住民に任せるやり方です。

これから途上国支援は、よりエンパワーメント意識した形になるでしょう。

People’s Processのはじまり

People’s Process(住民自身が自ら開発を行うプロセス)は、
1988年の国連採択”Global Strategy for Shelter to the Year 2000″が基になっています。

この採択では政府が住宅を直接供給するのではなく、
低所得層の住民が自ら居住開発できるように、
Enabling Strategyが提唱されました。

またその前提に、「安定した土地保有」と「資源へのアクセス」の保障が設けられました。

People’s Processはここから進化していったのです。

スリランカ・プロジェクトが他国へ波及

採択を現地の実践に反映して、
People’s Processのトレーニング・プログラムが開発されました。

国連ハビタットはこれを「スリランカ・住宅百万戸計画」(1984-1989)に採用して大成功しました。

それが支援ツールの基礎となり、
他国での支援事業に適用されていきました。
今では住宅分野に限らずコミュニティ改善全般のプロジェクトで活かされています。

途上国支援は、自律を促すところにある

私は昨年まで、People’s Processの存在を知りませんでした。
これを知ったとき、参加型開発(Participatory Development)より進んだ手法だと思いました。

「参加型開発」は、住民の判断がどれだけ尊重されるのかやや曖昧な言葉です。
なぜなら参加率が10%であろうと70%であろうと、それらは全て参加型開発と呼べるからです。

しかしPeople’s Processは違います。
なぜならこれは住民主導型開発であって、
コミュニティ外の働きは彼らの自律サポートに限られていることが明確です。

途上国支援は、こうであるべきだと思います。

自律の発展は自立を生み、
コミュニティの活性化につながります。

今後開発の専門家には、
「自分がやらない」スキルが必要になってくると思います。

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